「歯列矯正で顔の印象が変わるって本当？」「Eラインを整えて横顔美人になりたい」このような期待を持って矯正治療を検討される方が増えています。

実際に、歯列矯正は単に歯並びを整えるだけでなく、横顔のバランスや顔全体の印象に影響を与えることがあります。特に、美しい横顔の基準とされる「Eライン」の改善を目的に、矯正治療を始める方も少なくありません。

そこで本記事では、広島県安芸郡府中町のソレイユ眼科・矯正歯科の歯科医師が、歯列矯正による顔の変化とEライン改善について詳しく解説いたします。どのような変化が期待できるのか、どんな症例で効果が出やすいのかを、分かりやすくご説明いたします。

目次

1.Eラインとは？美しい横顔の基準
2.歯列矯正で顔の形が変わるメカニズム
3.Eライン改善が期待できる症例
4.矯正治療による具体的な変化
5.横顔美人になるための治療法
6.よくある質問（Q&A）
7.まとめ

---

1.Eラインとは？美しい横顔の基準

---

2.歯列矯正で顔の形が変わるメカニズム

• 歯の位置と顔の輪郭の関係

  それでは、歯列矯正でなぜ顔の形が変わるのかをご説明します。歯の位置は、唇や頬の形に直接影響を与えています。

  例えば、前歯が前方に出ている場合、唇が押し出されて口元が突出して見えます。これは、まるでテントの支柱が外側に倒れると、テント全体の形が変わるのと似ています。

  歯の位置が影響を与える部位

  • ・唇の位置と厚み
  • ・口元の突出感
  • ・頬のふくらみ
  • ・鼻の下から顎にかけてのライン
  •  

   

• 口元の変化がもたらす印象

  次に、口元のわずかな変化が、顔全体の印象に大きく影響することを理解する必要があります。

  口元の変化による効果

  • ・横顔のバランスが整う
  • ・Eラインが改善される
  • ・顔の下半分がすっきりする
  • ・笑顔の印象が明るくなる
  •  

  骨格の変化は限定的

  また、重要なポイントとして、歯列矯正で変化するのは主に「歯の位置」であり、骨格そのものは大きく変わらないということです。

  歯列矯正で変わるもの

  • ・歯の位置と角度
  • ・歯に支えられている唇や頬の形
  • ・口元の突出感
  •  

  歯列矯正で変わらないもの

  • ・顎の骨の大きさや形
  • ・鼻の高さや形
  • ・頬骨の位置

  骨格的な問題が大きい場合は、外科的矯正治療（顎変形症の手術）が必要になることもあります。

•  

---

3. Eライン改善が期待できる症例

---

4. 矯正治療による具体的な変化

• 口元の変化

  それでは、矯正治療により実際にどのような変化が起こるのかをご説明します。まず、最も変化が分かりやすいのが口元です。

  具体的な変化の例

  • ・唇の突出感が減少する（2〜5mm程度）
  • ・口が自然に閉じやすくなる
  • ・笑顔の際の歯の見え方が改善
  • ・口元のシワが減少することがある

  これらの変化により、Eラインが改善され、横顔のバランスが整います。

  顔の下半分のバランス

  次に、顔の下半分全体のバランスが改善されます。

  バランスの改善

  • ・鼻と顎の関係が調和する
  • ・顔の下半分がすっきりする
  • ・顎のラインが明確になる
  • ・横顔の印象が洗練される

  まるで写真の明るさやコントラストを調整するように、顔全体のバランスが整っていくイメージです。

  表情の変化

  さらに、見た目だけでなく、表情にも変化が現れることがあります。

  表情の改善効果

  • ・自信を持って笑えるようになる
  • ・口元を隠す癖がなくなる
  • ・表情が明るく見える
  • ・人と話すのが楽しくなる

  これは、審美的な改善が心理的な効果をもたらす好例です。

•  

---

5.横顔美人になるための治療法

• • 抜歯を伴う矯正治療

    それでは、Eライン改善を目的とした治療法についてご説明します。まず、抜歯を伴う矯正治療についてです。

    抜歯矯正の特徴 通常、小臼歯（4番目または5番目の歯）を抜歯し、そのスペースを利用して前歯を後方に移動させます。これにより、口元の突出感を大きく改善できます。

    適応症例

    • ・重度の上顎前突
    • ・上下顎前突
    • ・大幅な口元の改善が必要な場合

    抜歯矯正は、Eライン改善効果が最も大きい治療法の一つです。

    非抜歯矯正

    次に、歯を抜かない非抜歯矯正についてです。

    非抜歯矯正の方法

    • ・歯列の拡大
    • ・歯を少し削る（ディスキング）
    • ・奥歯を後方に移動させる
    •  

    適応症例

    • ・軽度な歯並びの乱れ
    • ・口元の突出が軽度な場合
    • ・抜歯を避けたい場合

    非抜歯矯正でもある程度のEライン改善は期待できますが、抜歯矯正ほどの大きな変化は難しいことがあります。

    マウスピース矯正での対応

    さらに、マウスピース矯正でもEライン改善は可能です。

    マウスピース矯正の特徴

    • ・目立たない
    • ・取り外し可能
    • ・段階的に歯を動かす
    •  

    注意点

    • ・大幅な歯の移動が必要な場合は適用が難しい
    • ・抜歯を伴う場合、ワイヤー矯正の方が効率的なことがある

    症例により、マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせることもあります。

    治療期間の目安

    そして、Eライン改善を目的とした矯正治療には、通常どのくらいの期間がかかるのかをご説明します。

    一般的な治療期間

    • ・抜歯矯正：2年〜3年程度
    • ・非抜歯矯正：1年半〜2年半程度
    • ・部分矯正：半年〜1年半程度

    ただし、これはあくまで目安で、症例により大きく異なります。

•  

---

6. よくある質問（Q&A）

Q1. 矯正治療でEラインは必ず改善しますか？

A1. 必ずしもすべての症例で劇的な改善が得られるわけではありません。改善の程度は、元々の歯並びの状態、骨格の特徴、選択する治療法によって異なります。特に出っ歯や口ゴボの症例では大きな改善が期待できますが、骨格的な問題が主な原因の場合は、歯列矯正だけでは限界があることもあります。カウンセリングで詳しい説明を受けることをお勧めします。

Q2. 矯正治療で顔が小さくなることはありますか？

A2. 顔の骨格そのものが小さくなるわけではありませんが、口元の突出が改善されることで、顔の下半分がすっきりして見え、結果として小顔効果を感じることがあります。また、歯並びが整うことで笑顔が美しくなり、顔全体の印象が洗練されることで、視覚的に顔が小さく見えることもあります。

Q3. Eライン改善には必ず抜歯が必要ですか？

A3. いいえ、必ずしも抜歯が必要というわけではありません。口元の突出の程度が軽度であれば、非抜歯でもEラインの改善は可能です。ただし、大幅な改善を希望する場合や、重度の出っ歯・口ゴボの場合は、抜歯を伴う矯正治療の方が効果的なことが多いです。最適な治療法は、詳細な検査と診断に基づいて決定されます。

Q4. 矯正治療後、Eラインが後戻りすることはありますか？

A4. 適切な保定（リテーナーの使用）を行えば、Eラインの後戻りは最小限に抑えられます。ただし、舌で歯を押す癖や口呼吸などの悪習慣がある場合は、後戻りのリスクが高まります。治療後も定期的な検診を受け、保定装置を指示通りに使用し、悪習慣を改善することで、美しいEラインを長期間維持できます。

---

7. まとめ