矯正治療中の口臭対策|原因と予防法を歯科衛生士が詳しく解説|広島の矯正歯科【ソレイユ矯正歯科】

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2025.11.8

矯正治療中の口臭対策|原因と予防法を歯科衛生士が詳しく解説

 

「矯正治療を始めてから、口臭が気になるようになった」「人と話すときに口臭が心配で自信が持てない」このような悩みを抱えている方は少なくありません。

実際に、矯正治療中は装置の影響で口腔内の衛生管理が難しくなり、口臭が発生しやすくなります。特にワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーの周りに食べかすが溜まりやすく、通常よりも丁寧なケアが必要です。

そこで本記事では、広島県安芸郡府中町のソレイユ眼科・矯正歯科の歯科衛生士が、矯正治療中の口臭について詳しく解説いたします。口臭が発生する原因から、具体的な予防法、日常生活で実践できるケア方法まで、分かりやすくご説明いたします。

目次

1.矯正治療中に口臭が発生する原因
2.矯正装置別の口臭リスク
3.効果的な口臭予防のための歯磨き方法
4.矯正治療中におすすめのケアグッズ
5.生活習慣での口臭対策
6.よくある質問(Q&A)
7.まとめ


1.矯正治療中に口臭が発生する原因

Screenshot

食べかすの蓄積

まず初めに、矯正治療中に口臭が発生する主な原因についてご説明します。最も大きな要因は、食べかすの蓄積です。

ワイヤー矯正の場合、ブラケットとワイヤーの隙間、ワイヤーと歯の間など、食べかすが溜まりやすい箇所が多数存在します。これは、まるで複雑な形状の容器を洗うようなもので、通常の歯磨きでは完全に除去することが困難です。

食べかすが蓄積しやすい箇所

  • ・ブラケットとワイヤーの隙間
  • ・ブラケットと歯の境目
  • ・ワイヤーと歯ぐきの境目
  • ・奥歯の装置周辺
  •  

細菌の繁殖

次に、蓄積した食べかすを栄養源として細菌が繁殖します。口腔内には数百種類の細菌が存在し、特に嫌気性菌と呼ばれる酸素を嫌う菌が、揮発性硫黄化合物(VSC)という悪臭の原因物質を産生します。

矯正装置があることで、口腔内の自浄作用(唾液による洗浄効果)が低下し、細菌がより繁殖しやすい環境になってしまいます。

唾液の減少

さらに、矯正装置の装着により、一時的に唾液の分泌が減少することがあります。唾液には口腔内を清潔に保つ重要な役割があり、唾液が減少すると細菌が繁殖しやすくなります。

唾液の重要な働き

  • ・食べかすを洗い流す
  • ・口腔内のpHバランスを保つ
  • ・抗菌作用により細菌の増殖を抑える
  • ・口腔粘膜を保護する
  •  

口呼吸による乾燥

また、矯正装置の違和感から、無意識に口呼吸になってしまう方がいます。口呼吸は口腔内の乾燥を招き、唾液の働きが低下するため、口臭の原因となります。


2.矯正装置別の口臭リスク

  • ワイヤー矯正の場合

    それでは、矯正装置の種類別に口臭リスクについて解説します。まず、ワイヤー矯正についてです。

    ワイヤー矯正の特徴 ワイヤー矯正は、最も口臭が発生しやすい矯正方法と言えます。装置が複雑で、24時間装着されているため、食後の清掃が不十分だと、食べかすが長時間口腔内に残ることになります。

    特に注意が必要な食べ物

    • ・繊維質の野菜(ほうれん草、セロリなど)
    • ・挽肉料理(ハンバーグ、ミートソースなど)
    • ・種のある果物(いちご、キウイなど)
    • ・ゴマなど小さな粒状のもの
    •  

    マウスピース矯正の場合

    次に、マウスピース矯正についてです。

    マウスピース矯正の特徴 マウスピース矯正は、食事の際に装置を外すため、ワイヤー矯正と比べて口臭のリスクは低めです。ただし、装置自体の清掃が不十分だと、マウスピースに細菌が繁殖し、口臭の原因となります。

    注意すべきポイント

    • ・マウスピースの不十分な清掃
    • ・装着前の歯磨き不足
    • ・マウスピースの長期使用による劣化
    • ・保管方法の不適切さ
    •  

    裏側矯正の場合

    さらに、裏側矯正についても触れておきます。

    裏側矯正は、装置が舌側にあるため、舌に触れやすく、舌苔(ぜったい:舌の表面の汚れ)が装置に付着しやすい傾向があります。そのため、装置の清掃に加えて、舌のケアも重要になります。

  •  


3. 効果的な口臭予防のための歯磨き方法

基本的な歯磨きの手順

それでは、矯正治療中の効果的な歯磨き方法についてご説明します。まず、基本的な手順についてです。

推奨される歯磨きのタイミング

  • ・毎食後30分以内に歯磨き
  • ・就寝前は特に丁寧に磨く
  • ・理想的には1日3回以上
  •  

基本的な歯磨きの手順

  1. 1,水で口をゆすぎ、大きな食べかすを除去
  2. 2.やわらかめの歯ブラシで歯の表面を磨く
  3. 3,装置の周りを丁寧に磨く
  4. 4,歯と歯ぐきの境目を磨く
  5. 5,最後に全体をもう一度確認

 

装置周りの磨き方

次に、装置周りの具体的な磨き方についてです。

ブラケット周辺の磨き方

  1. 1,ブラケットの上部を斜め45度から磨く
  2. 2,ブラケットの下部も同様に磨く
  3. 3,ブラケットの側面を小刻みに磨く
  4. 4,ワイヤーの下も忘れずに磨く

歯ブラシの毛先を使い分けながら、まるで絵筆で細かい部分を描くように、丁寧に磨いていくイメージです。

時間をかけた丁寧な歯磨き

さらに、矯正治療中は通常の2倍程度の時間をかけて歯磨きすることが推奨されます。

推奨される歯磨き時間

  • ・矯正治療前:3分程度
  • ・矯正治療中:5〜7分程度
  • ・特に就寝前:10分程度

時間をかけることで、装置の細かい部分まで確実に清掃することができます。

 


4. 矯正治療中におすすめのケアグッズ

  • 矯正用歯ブラシ

    それでは、矯正治療中に役立つケアグッズについてご紹介します。まず、矯正用歯ブラシについてです。

    矯正用歯ブラシの特徴

    • ・中央部分の毛が短く、V字型にカットされている
    • ・ブラケット周辺を効率的に磨ける
    • ・やわらかめの毛質が多い

    通常の歯ブラシと併用することで、より効果的な清掃が可能になります。

    ワンタフトブラシ

    次に、ワンタフトブラシ(タフトブラシ)についてです。

    ワンタフトブラシの特徴

    • ・先端が細く、ピンポイントで磨ける
    • ・ブラケット周辺や奥歯の清掃に最適
    • ・歯と歯ぐきの境目も磨きやすい

    まるで絵筆のように細かい部分を磨くことができ、矯正治療中には必須のアイテムです。

    歯間ブラシとデンタルフロス

    さらに、歯間の清掃には歯間ブラシやデンタルフロスが有効です。

    矯正中の歯間ケア

    • ・矯正用フロス:スレダー(糸通し)付きのフロス
    • ・歯間ブラシ:ワイヤーの下を通して使用
    • ・ウォーターフロッサー:水流で汚れを除去

    これらを組み合わせることで、より徹底した清掃が可能になります。

    口腔洗浄液

    また、口腔洗浄液も補助的に使用することができます。

    口腔洗浄液の選び方

    • ・アルコールフリーのものを選ぶ
    • ・フッ素配合のものが望ましい
    • ・刺激の少ないタイプを選ぶ

    ただし、口腔洗浄液だけでは食べかすは除去できないため、あくまで歯磨きの補助として使用することが重要です。

  •  

5.生活習慣での口臭対策

    • 水分補給の重要性

      それでは、生活習慣での口臭対策についてご説明します。まず、十分な水分補給が重要です。

      水分補給のポイント

      • ・こまめに水を飲む(1日1.5〜2リットル程度)
      • ・食事中も水を飲む
      • ・起床時と就寝前にコップ1杯の水
      • ・カフェインや糖分の多い飲み物は控えめに

      水分補給により唾液の分泌が促進され、口腔内の自浄作用が高まります。

      食事の工夫

      次に、食事内容の工夫も効果的です。

      口臭予防に良い食べ物

      • ・緑黄色野菜(ビタミン補給)
      • ・ヨーグルト(善玉菌の補給)
      • ・緑茶(カテキンの抗菌作用)
      • ・梅干し(唾液分泌の促進)
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      避けるべき食べ物

      • ・ニンニクやニラなど臭いの強い食材
      • ・糖分の多い食べ物
      • ・粘着性の高い食べ物
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      舌のケア

      さらに、舌のケアも忘れてはいけません。

      舌苔の除去方法

      1. 1,舌専用のクリーナーまたはやわらかい歯ブラシを使用
      2. 2,奥から手前に向かって優しく清掃
      3. 3,1日1回、朝の歯磨き時に実施
      4. 4,強くこすりすぎない

      舌苔は口臭の大きな原因の一つであり、適切なケアにより口臭を大幅に減らすことができます。

      鼻呼吸の意識

      そして、鼻呼吸を心がけることも重要です。

      鼻呼吸のメリット

      • ・口腔内の乾燥を防ぐ
      • ・唾液の分泌を正常に保つ
      • ・細菌の繁殖を抑える
      • ・全身の健康にも良い影響

      意識的に鼻呼吸を心がけ、必要に応じて耳鼻科の受診も検討しましょう。

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6. よくある質問(Q&A)

Q1. 外出先での口臭対策はどうすればよいですか?

A1. 外出先では、携帯用の歯磨きセットを持ち歩くことをお勧めします。完全な歯磨きが難しい場合は、水でしっかり口をゆすぐだけでも効果があります。また、シュガーレスガムを噛むことで唾液の分泌を促進し、口臭を軽減できます。口腔洗浄液の小さなボトルを携帯するのも良い方法です。

Q2. マウスウォッシュだけで口臭予防は十分ですか?

A2. いいえ、マウスウォッシュだけでは不十分です。マウスウォッシュは一時的に口臭を抑える効果はありますが、食べかすや歯垢を物理的に除去することはできません。必ず歯磨きと併用し、マウスウォッシュは補助的な役割として使用してください。

Q3. 矯正治療中の口臭は治療が終われば改善しますか?

A3. はい、適切なケアを継続していれば、矯正装置を外した後は口臭が改善することが多いです。ただし、矯正治療中に口腔ケアを怠ると、虫歯や歯周病が進行し、治療後も口臭が残る可能性があります。そのため、矯正期間中から適切なケアを継続することが重要です。

Q4. 口臭が気になって人と話すのが不安です。どうすればよいですか?

A4. まず、この記事でご紹介した口臭対策を実践してみてください。また、定期的な歯科検診を受け、専門家にチェックしてもらうことで、客観的な評価が得られます。実際には周囲が気づかないレベルでも、本人だけが気にしていることも多いです。不安が強い場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。


7. まとめ

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  • 以上のように、矯正治療中の口臭は適切なケアにより予防・改善することが可能です。矯正治療中だからこそ、より丁寧な口腔ケアを心がけることが大切です。

    口臭予防の重要ポイント

    基本的なケア

    • ・毎食後の丁寧な歯磨き(5〜7分程度)
    • ・矯正用歯ブラシやワンタフトブラシの活用
    • ・歯間ブラシ・フロスによる歯間清掃
    • ・舌のケアも忘れずに

     

  • 生活習慣の改善

    • ・こまめな水分補給
    • ・バランスの良い食事
    • ・鼻呼吸を心がける
    • ・十分な睡眠

     

  • 定期的な専門ケア

    • ・月1回の矯正調整時のクリーニング
    • ・歯科衛生士による専門的指導
    • ・早期発見・早期対処
    • ・適切なケアグッズの選択

    また、矯正治療中の口臭対策で重要なことは:

    • ・予防が最も効果的:口臭が発生してから対処するより、予防が重要
    • ・継続が大切:毎日の積み重ねが結果につながる
    • ・完璧を目指さない:できる範囲で着実に実践する
    • ・専門家に相談:困ったときは遠慮なく相談する

    さらに、矯正治療中の口臭予防は、単に口臭を防ぐだけでなく、虫歯や歯周病の予防にもつながります。つまり、口臭対策として行う丁寧なケアが、結果的に口腔全体の健康維持に役立つのです。

    当院では、矯正治療中の患者様に対して、歯科衛生士による丁寧なブラッシング指導と定期的なクリーニングを行っております。口臭や口腔ケアについてご不安やご質問がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

    美しい歯並びを手に入れる過程で、口臭を気にすることなく自信を持って笑顔で過ごせるよう、私たちが全力でサポートいたします。


※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状や治療計画については、必ず歯科医師にご相談ください。


 

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