歯列矯正中の食事制限と注意点|ワイヤー・マウスピース矯正別の食べ物ガイド|広島の矯正歯科【ソレイユ矯正歯科】

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2025.9.27

歯列矯正中の食事制限と注意点|ワイヤー・マウスピース矯正別の食べ物ガイド

歯列矯正を始めると、多くの患者様から「今まで通りの食事ができるのでしょうか?」「好きな食べ物を我慢しなければならないのですか?」といったご質問をいただきます。

確かに、矯正治療中は装置を保護し、治療効果を最大化するために、食事に関していくつかの注意点があります。しかし、適切な知識があれば、治療期間中も美味しい食事を楽しむことは十分に可能です。

そこで本記事では、広島県安芸郡府中町のソレイユ眼科・矯正歯科の歯科医師が、歯列矯正中の食事制限について詳しく解説いたします。ワイヤー矯正とマウスピース矯正それぞれの注意点や、避けるべき食べ物について、具体例を交えながら分かりやすくご説明いたします。


目次

1.歯列矯正中の食事制限の基礎知識
2.ワイヤー矯正中の食事制限と注意点
3.マウスピース矯正中の食事制限と注意点
4.避けるべき食べ物と推奨食品
5.矯正中の食事のコツと工夫
6.よくある質問(Q&A)
7.まとめ


1. 歯列矯正中の食事制限の基礎知識

なぜ食事制限が必要なのか

まず初めに、歯列矯正中の食事制限には、主に以下の3つの目的があります。

装置の破損防止 矯正装置は精密に作られていますが、過度な力が加わると破損する可能性があります。まるで時計の精密な部品のように、適切な扱いが必要です。

治療効果の維持 さらに、食べ物が装置に挟まることで、歯の移動が阻害されたり、虫歯や歯周病のリスクが高まったりします。これは、車のエンジンに不純物が混入すると性能が低下するのと似ています。

口腔内の健康維持 また、矯正治療中は通常よりも口腔ケアが困難になるため、食事によるリスクを最小限に抑える必要があります。

矯正装置による違い

ワイヤー矯正の特徴 ワイヤー矯正では、ブラケットとワイヤーが常に歯に装着されているため、食事による影響を直接受けやすい状況です。特に硬い食べ物や粘着性のある食べ物は、装置の破損や食べかすの蓄積の原因となります。

マウスピース矯正の特徴 一方、マウスピース矯正では、食事の際は装置を取り外すため、基本的に食事制限はありません。ただし、装置を装着したままの飲食には注意が必要です。


2.ワイヤー矯正中の食事制限と注意点

 

装置への影響と破損リスク

それでは、ワイヤー矯正の詳細について解説いたします。ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーが外れたり、曲がったりするリスクがあります。これは、例えば繊細な楽器の弦が切れるようなもので、一度破損すると修理のための通院が必要になります。

破損しやすい状況

  • ・硬い食べ物を前歯で噛み切る動作
  • ・粘着性の高い食べ物がブラケットに付着
  • ・氷や硬いキャンディーを噛む行為
  • ・骨付き肉を歯で引きちぎる動作
  •  

食べかすの蓄積問題

また、ワイヤー矯正中は、ブラケットとワイヤーの間に食べかすが蓄積しやすくなります。これは、複雑な形状の花瓶を掃除するようなもので、通常の歯磨きでは除去が困難です。

特に注意が必要な食べ物

  • 繊維質の野菜(セロリ、ほうれん草など)
  • 種のある果物(いちご、キウイなど)
  • 小さな粒状の食べ物(ごま、ポップコーンなど)
  • 挽肉料理(ハンバーグ、ミートソースなど)
  •  

痛みや不快感への配慮

さらに、装置を調整した直後は、歯が動き始めるため痛みや違和感を感じることがあります。この期間は、まるで筋肉痛のような感覚で、噛む力を加えることが辛く感じられます。

痛みがある時期の食事のポイント

  • 調整日から2〜3日間は特にやわらかい食べ物を選ぶ
  • 熱すぎる・冷たすぎる食べ物は避ける
  • 一口サイズに小さく切って食べる
  •  

3. マウスピース矯正中の食事制限と注意点

基本的な食事ルール

次に、マウスピース矯正について詳しくご説明します。マウスピース矯正の最大の利点は、食事の際に装置を取り外せることです。これにより、基本的には通常通りの食事を楽しむことができます。

食事前の手順

  1. 手をきれいに洗う
  2. マウスピースを慎重に取り外す
  3. 専用ケースに保管する
  4. 食事を楽しむ
  5. 食後の口腔ケア
  6. マウスピースを装着

 

装着時の飲食制限

ただし、マウスピースを装着したままの飲食には制限があります。透明な装置の変色や変形を防ぐため、以下の点に注意が必要です。

装着時に摂取可能なもの

  • ・常温の水
  • ・氷の入っていない冷たい水
  •  

装着時に避けるべきもの

  • ・糖分を含む飲み物(ジュース、スポーツドリンクなど)
  • ・着色料を含む飲み物(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)
  • ・熱い飲み物(装置の変形リスク)
  •  

マウスピースの管理と衛生面

また、食事中はマウスピースを外すため、適切な管理が重要です。不適切な保管により、装置が汚染されたり、破損したりするリスクがあります。

保管時の注意点

  • ・必ず専用ケースに入れる
  • ・ティッシュやナプキンに包まない(紛失の原因)
  • ・高温の場所に置かない(変形の原因)
  •  

4. 避けるべき食べ物と推奨食品

Screenshot

ワイヤー矯正で避けるべき食べ物

それでは、具体的な食べ物について詳しく解説いたします。

硬い食べ物 まず、以下のような硬い食べ物は装置の破損リスクが高いため、避けることが推奨されます:

  • ・氷、硬いキャンディー
  • ・硬いおせんべい、クラッカー
  • ・生のにんじん、りんご(丸かじり)
  • ・ナッツ類、ポップコーン

これらの食べ物は、まるでハンマーで精密機械を叩くような衝撃を装置に与える可能性があります。

粘着性の高い食べ物 次に、粘着性の高い食べ物も注意が必要です:

  • ・キャラメル、ヌガー
  • ・チューインガム
  • ・お餅、だんご
  • ・ドライフルーツ(特にデーツやレーズン)

これらは装置にくっつきやすく、除去が困難になることがあります。

着色しやすい食べ物 さらに、セラミックブラケットを使用している場合は、着色しやすい食べ物にも注意が必要です:

  • ・カレー、ミートソース
  • ・赤ワイン、コーヒー
  • ・醤油、ソース類

 

ワイヤー矯正で推奨される食べ物

一方で、以下のような食べ物は矯正中でも安心して摂取できます。

やわらかい主食

  • ・白米、おかゆ
  • ・やわらかく茹でたパスタ
  • ・蒸しパン、食パン

 

タンパク質源

  • ・魚の切り身(骨を除いたもの)
  • ・豆腐、卵料理
  • ・やわらかく煮込んだ肉類

 

野菜・果物

  • ・よく煮込んだ野菜
  • ・バナナ、桃、メロンなど
  • ・野菜ジュース、スムージー

 


5.矯正中の食事のコツと工夫

Screenshot

食べ方の工夫

続いて、矯正中の食事をより快適にするためのコツをご紹介します。

小さく切って食べる まず、大きな食べ物は一口サイズに切ることで、装置への負担を軽減できます。例えば、りんごは薄くスライスして食べる、とうもろこしは実を外してから食べるなどの工夫が有効です。

奥歯で噛む習慣 また、前歯で噛み切る動作は装置に大きな負担をかけるため、できるだけ奥歯を使って食べる習慣をつけることが大切です。

ゆっくり食べる さらに、急いで食べると装置に過度な力がかかる可能性があります。ゆっくりと時間をかけて食べることで、装置を守りながら消化にも良い影響があります。

調理方法の工夫

やわらかく調理する 食材をやわらかく調理することで、矯正中でも様々な食べ物を楽しむことができます:

  • ・野菜は長時間煮込む、蒸す
  • ・肉類は圧力鍋や煮込み料理で
  • ・果物は加熱してコンポートに

細かく刻む また、食材を細かく刻むことも効果的です:

  • ・野菜のみじん切り
  • ・肉のミンチ
  • ・果物のすりおろし

栄養バランスの維持

そして、矯正中の食事制限により、栄養が偏ることがないよう注意が必要です。

不足しがちな栄養素と補う方法

  • ・食物繊維:野菜ジュースやスムージーの活用
  • ・ビタミンC:やわらかく調理した野菜の摂取
  • ・カルシウム:乳製品や小魚の積極的な摂取
  •  

6. よくある質問(Q&A)

Q1. 矯正中にカレーやミートソースを食べても大丈夫ですか?

A1. ワイヤー矯正の場合、セラミックブラケットを使用していると着色の可能性があります。メタルブラケットであれば着色の心配はありませんが、食後の清掃を丁寧に行うことが重要です。マウスピース矯正では、装置を外して食べるため問題ありません。

Q2. 装置が外れてしまった場合はどうすればよいですか?

A2. まず慌てずに、外れた装置を安全な場所に保管してください。痛みがある場合は、歯科医院で処方されたワックスを使用して応急処置を行い、できるだけ早く歯科医院にご連絡ください。

Q3. マウスピース矯正中、お茶やコーヒーを飲みたい場合はどうすればよいですか?

A3. マウスピースを外してから飲むことをお勧めします。装着したままですと、装置の着色や変形の原因となります。飲み物を楽しんだ後は、口をゆすいでからマウスピースを装着してください。

Q4. 装置を付けてから食欲がなくなりました。どうしたらよいですか?

A4. 装置装着直後は、違和感や軽い痛みにより食欲が低下することがあります。これは一時的なもので、通常1週間程度で改善されます。この期間は、栄養価の高いスープやスムージーなどで栄養補給を心がけてください。


7. まとめ

以上のように、歯列矯正中の食事制限は、治療効果を最大化し、装置を保護するために重要な要素です。しかし、適切な知識と工夫があれば、治療期間中も美味しい食事を楽しむことは十分に可能です。

矯正装置別のポイント

ワイヤー矯正

  • ・硬い食べ物、粘着性の食べ物、着色しやすい食べ物に注意
  • ・小さく切って奥歯で噛む習慣を身につける
  • ・食後の丁寧な口腔ケアが重要

 

マウスピース矯正

  • ・基本的に食事制限はなし
  • ・装着時の飲食は水のみ
  • ・装着時間を守るための時間管理が重要

 

共通のポイント

  • ・栄養バランスの維持
  • ・調理方法の工夫
  • ・定期的な歯科検診の受診

 

また、矯正治療中の食事について、以下の点も重要です:

  • ・個人差への理解:症状や装置の種類により、注意点は個人で異なります
  • ・段階的な慣れ:時間とともに制限を感じにくくなります
  • ・積極的な相談:困ったことがあれば、遠慮なく歯科医師に相談してください

当院では、患者様お一人お一人の生活スタイルに合わせた食事指導を行っております。治療期間中の食事に関するご不安やご質問がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

美しい歯並びの実現に向けて、食事制限も治療の一環として前向きに取り組んでいただければと思います。適切な食事管理により、より効果的で快適な矯正治療を実現しましょう。


※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療計画については、必ず歯科医師にご相談ください。

 

 

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患者様の不安や疑問点を解消して、求める結果に対する最善の矯正治療法をご提案します。

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