開咬|広島の矯正歯科【ソレイユ矯正歯科】

開咬

開咬

オープンバイト、前歯が上下で咬めない

開咬について

開咬(かいこう)とは「奥歯でしっかりかんだ際にも、前歯に上下方向の隙間ができる」不正咬合のことです。

 

別名「オープンバイト」とも呼ばれ、力を入れて閉じても前歯がかみ合わず、歯と歯の間が空いている状態です。前歯で食べ物がかみ切れないので、舌を使わざるをえなかったり、横の歯で噛み切らなくてはならなくなります。さらに口唇が閉じにくくなるため、閉じようとすると力が入り、顎の先に梅干し状のシワが見られます。

 

上顎前突、下顎前突は水平的な不正咬合ですが、開咬は垂直的な不正咬合になります。また、開咬と他の症状が同時に存在している場合も多く見受けられます。

開咬の原因

小さい頃の指しゃぶりや舌を出す癖・口呼吸などが原因となります。

 

指しゃぶりが続くことで継続的に吸引しながら指で歯を前歯に押し続けた結果、上顎の前歯が唇側に傾斜して上下前歯に隙間ができます。その部位の骨自体の変形が起きて歯列の幅も狭くなり、歯列の形もいびつになってきます。

 

舌癖も原因となります。

 

お食事の時のみならず、つばを飲み込んだりと1日に何百回と嚥下するたびに舌で前歯を押し続けてしまうので、上下前歯の間に隙間が開いてしまいます。これは「異常嚥下癖/いじょうえんげへき」の状態です。

 

食べ物を飲み込む際に、通常は食べ物を舌の上に集めると同時に舌は口蓋と密閉した状態を作り、上下の歯を噛んで食塊を喉に送ります。しかし、開咬の状態ではこれを行うことが難しく、舌を前歯の開いている部分に突き出して閉鎖して飲み込みます。口呼吸も習慣化していると、口の周りの筋肉のバランスが崩れ開咬の原因になります。

 

前歯の位置は、このように「舌や口の周りの筋肉など軟組織のバランス」で決まってきます。

 

乳歯で開咬状態になっていることは珍しく、多くの場合永久歯になってから開咬になります。顎の骨の形や大きさが特徴的な場合、遺伝が原因で開咬になる場合があり、下顎の成長方向が悪い人がなりやすい傾向もあります。さらに大人になってから徐々に開咬になる場合もあります。

 

原因としては「親知らずの影響、舌癖、顎関節の変形が起こって下顎枝が短くなることで奥歯でしか当たらなくなる」ということもあります。

開咬を放置すると…

  • 上手く食べ物を噛み切ることができない状態となります
  • 発音が不明瞭になりやすいです。
  • 胃腸への負担が大きくなります。
  • 歯が欠けたり割れてしまったりすることがあります。
  • 顎関節に負担がかかりやすくなります。
  • 虫歯、歯周病、口臭の原因になります。

力を入れて閉じても歯と歯の間が空いているため、上手く食べ物を噛み切ることができない状態となり、あまり程度が強いと胃腸への負担が大きくなります。

 

奥歯についても、他の歯が担う咬む力(咬合力/こうごうりょく)を一手に受けることで、耐えきれない程の力がかかってしまい、歯が割れてしまったりすることがあります。奥歯を失ってしまうと、その機能を回復するには、その後の歯科の治療費も嵩んでしまいます。前歯で咬み切れないと、横や奥の歯で咬み切らないといけないので「人前で食事をすることが苦痛だ」とおっしゃる方も多いです。

 

さらに、発音にも影響が出やすく、舌っ足らずな話し方になったり、発音が不明瞭になったりして、コミュニケーションに支障をきたす可能性もあります。それに加えて、歯で咬合の負担が不十分だと顎関節に負担がかかって「顎関節症」や「変形性顎関節症」などに繋がり、これによりまた開咬が悪化してしまう場合もあります。顎関節症は顎の痛みや開口障害などの不快感な症状を引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。

開咬の治療内容

子どもの治療ではまず、指しゃぶりや舌癖が認められるなら、その癖の改善と同時に「タングクリブ」といって「舌が上下の前歯に当たらないようにする装置」で、自然と前歯が閉じてくるのを誘導します。

 

大人の治療では、開咬は他の症状と合わさっていることも多いので、上顎前突の傾向がある場合は、上顎のみ抜歯を行います。叢生が上下顎ともに認められる場合は、上下顎ともに抜歯をして「マルチブラケット」や「マウスピース型」の矯正装置で治療します。奥歯が伸びだしている場合、奥歯を圧下(あっか)します。

 

奥歯の位置に問題がなく、舌癖などで前歯の位置が異常を呈している場合は前歯の配列を整えます。さらにこの奥歯の圧下を効果的に行うには、矯正用のインプラントを併用したり、骨格的な要素が大きい場合外科矯正を選択する場合もあります。

 

いずれにせよ、舌癖が残っている場合、矯正治療で症状を改善しても後戻りがしやすくなるので、MFT(口腔筋機能療法/こうくうきんきのうりょうほう)などの舌のトレーニングを行うなど、舌癖への対処が重要になります。

  1. 混合歯列期で舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)がある場合、舌が前歯に当たらないように排除する装置を使用します。
  2. 奥歯が過萌出(かほうしゅつ)の場合、奥歯を圧下(あっか)させます。
  3. 前歯の伸び方が足りない場合、前歯を萌出(ほうしゅつ)させます。
  4. 舌癖の改善が必要な場合は、MFT(口腔筋機能療法)を行います。

開咬の症状はまず前歯で食べ物が咬めない、という状態で食事をすることに大きな弊害となります。

 

口腔は「第1の消化器官」ですので、この機能をしっかり発揮できるような咬み合わせを獲得することに大きな意義があります。

開咬の症例紹介

Case1
性別
女性
年齢
33歳
症例
開咬
抜歯
なし
装置
マルチブラケット
期間
2年4ヶ月
方針
検査結果より骨格的な下顎前突で、咬合状態は開咬を呈していました。非抜歯でマルチブラケット装置を使用し、顎間ゴムも併用しました。
リスク
矯正治療後のリテーナーの使用を怠ったり、舌癖が改善されないと開咬が再発しやすいです。

Before(矯正前)

After(矯正後)

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